アバターロボットを活用した多言語での遠隔案内業務の実施レポート
-愛知県が出展する大阪・関西万博「未来社会ショーケース事業 スマートモビリティ万博『ロボットエクスペリエンス』」に参画-

Column

2025.10.15

アバターロボットを活用した多言語での遠隔案内業務の実施レポート
-愛知県が出展する大阪・関西万博「未来社会ショーケース事業 スマートモビリティ万博『ロボットエクスペリエンス』」に参画-

2025年8月18日から24日にかけて、大阪・関西万博「ロボット&モビリティステーション」内に設けられた愛知県ブース「AICHI Robot Friendly Café」にて、弊社のアバターロボット「newme」を活用した遠隔案内を行いました。

 

実施内容をご紹介します。

 

本ブースは、「ロボットと共生する社会=ロボットインクルーシブな生活」をテーマとし、来場者が最新のロボット技術に触れるだけでなく、ロボットと人がどのように共に生き、支え合っていけるのかを体験を通じて考えられる場となりました。弊社は出展事業者の一員として、遠隔操作による案内業務を担うnewmeを3台配置し、会場の11種類のロボット紹介や、多言語での質疑応答、来場者の誘導などをリアルタイムで実施しました。

 

ただ遠隔からご案内するだけでなく、来場者が自然とロボットに興味を持ち、話しかけたくなる仕掛けを用意しました。

1つ目は、newmeに遠隔操作で点灯可能なLEDを搭載し、来場者に対して視覚的に呼びかけるアプローチを工夫しました。

2つ目は、「Robot Friendly Café」のコンセプトに合わせて、newmeに特製のエプロンを着用させて配置しました。機械的な印象を和らげ、まるでカフェのスタッフのように親しみやすい存在として場に溶け込み、“ロボットと共に過ごす未来のカフェ”という世界観を表現しました。

 

fig1:LEDを搭載したnewme(左)と特製エプロンを着用したnewme(右)

 

初日は、愛知県内の施設「STATION Ai」から名古屋外国語大学国際教養学科の学生たちが遠隔案内を行うオペレーターとして参加しました。遠隔操作や接客といった初めての業務にも関わらず、学生たちは持ち前の語学力を活かし、状況に応じて柔軟に対応していました。短時間で操作のコツを掴み、来場者に積極的な声かけを行うなど、臨機応変に対応している姿は、まさに、技術や環境の変化に適応しながら、ロボットと共に社会を支える力を体現しているようでした。

 

fig2:STATION Aiからご案内を行う学生2名

 

fig3:来場者が所有するロボットとnewmeを通じて交流する学生

 

2日目以降の6日間は、東京のオペレータールームから、日本語・英語・中国語に対応可能なオペレーターが業務を担いました。ブースでnewmeに親しみながら楽しそうに会話をする子どもたちや、丁寧な英語での案内に思わず驚きの表情を浮かべる外国からの来場者も多く見られました。来場者からは、「ロボットなのに安心感がある」「人が操作しているから自然に話せた」といった声が寄せられました。単なる機械としてのロボットではなく、人の存在を感じていただけたのではないでしょうか。

 

fig4:外国からの来場者へ会場の案内を行っている様子

 

fig5:newmeに興味津々な入場待機中の来場者

 

 

最も多くいただいた質問は「どこから操作しているんですか?」というものでした。「東京からご案内しています」とお伝えすると、多くの方が「そんな遠くから!」と驚かれ、newmeが物理的距離を超えて“人と人”をつなぐロボットであることを実感いただける機会となりました。

期間中、newmeがご案内した来場者数は延べ2,167組にのぼりました。多言語による遠隔案内がブースの運営をサポートし、来場者に安心感や驚き、そして新たな学びを提供することができました。

 

 

今回の遠隔案内業務では、単なる技術紹介にとどまらず、社会実装を見据えた「人とロボットの共生」の在り方を、具体的な体験を通じて多くの方々に届けることができたと感じています。また、大学生との協働による人材育成の可能性や、他企業・自治体との連携による新たな活用シーンの広がりも見えてきました。

今後もavatarinは、アバターロボット「newme」を通じて、人とロボットがともに歩む社会の実現に向け、さまざまな社会課題の解決に取り組んでまいります。

 

 

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