案内業務としてのアバターロボット「newme」の活用レポート
-2023年度あいちデジタルアイランドプロジェクト「newmeを活用した実証」第四弾-

Column

2024/1/17

案内業務としてのアバターロボット「newme」の活用レポート
-2023年度あいちデジタルアイランドプロジェクト「newmeを活用した実証」第四弾-

第四弾は、中部国際空港株式会社のご協力のもと、アバターロボットを活用することで、広い空港内でのスタッフの移動時間の軽減等の効率化及び省人化を目指すとともに、運航便に合わせて遠隔地にいる人材リソースがアバターロボットを活用して案内が可能かどうかの検証を目的に実証を行いました。

 

本実証では、中部国際空港内の3ヶ所の案内所で実施し、①中部国際空港駅の改札を出たところに位置するアクセスプラザ、②ボーイング787初号機の展示をメインとした複合商業施設『フライト・オブ・ドリームズ』内の案内所、③中部国際空港駅から徒歩で7分程離れた場所にある第2ターミナル1階到着ロビー案内所の受付カウンター付近にそれぞれnewmeを配置しました。

 

実証期間は、全部で15日間行い、STEP①として、前半6日間は中部国際空港で案内業務に従事しているスタッフが、バックオフィスから案内業務を実施し、効率化及び省人化の検証を行いSTEP②として、後半9日間は中部国際空港での案内業務の従事経験がない外部スタッフが、東京から遠隔で案内業務を実施し、外部リソース投入に関する可能性の検証を行いました。

 

実証内容は、STEP①及びSTEP②のそれぞれのケースにおいて、1名のスタッフが1台のnewmeにアバターインして案内業務を実施することから始め、最終的には2名のスタッフで3台のnewmeを運用するところまで行いました。

 

 

ここからは実証の様子をご紹介いたします。

まずSTEP①では普段、中部国際空港の案内業務に従事しているスタッフがnewmeにアバターインします。

 

 

初めは、対面でのご案内とは異なるお客様の見え方や、空港という環境下での音声の聞こえ方など、パソコン越しでのお客様対応に少し難しさを感じていたご様子ですが、少しずつ慣れていただけたようで、たくさんのお客様からの質問に対応されていました。

 

newmeの案内サービスをご利用いただいたお客様からは、

「顔が写っているので安心感がある」や、外国籍のお客様からは、「素敵なサービスだ。僕の国でもやってほしいよ!」等の嬉しいお声をいただきました。

また、案内カウンターでの対応が混雑している際にnewmeからお待ちのお客様にお声掛けをしたことにより、「待たずに案内してもらえて助かった」とのご意見もいただくことができました。

アバターロボットでの案内業務が可能になることで、広い空港内の移動時間を省くことができたり、イレギュラー発生時等のスタッフが不足している場合にも遠隔でサポートすることができたり、といったnewmeの強みを発見できました。

 

次にSTEP②では、中部国際空港での案内業務への従事経験がない外部スタッフがアバターインします。

スタッフは、空港を訪れた経験がないため、空港に関する知識もお持ちではありませんでした。そのため実証開始までの期間中に、空港内の店舗情報やサービス、ターミナルごとの就航便、案内所でよくある質問などを事前に学習していただきました。

各案内所に設置したアバターロボットを遠隔で動かしながら周囲の環境を見渡し、訪れたことのない案内所の周辺を念入りに確認していました。

「平面のマップだけでは分からない部分も多く、この時間が非常に大切でした。」とスタッフからコメントがあり、アバターロボットは空間の把握にも役立っていました。

 

 

いよいよ実証スタートです。お客様は、アバターロボットを見つけると自ら近づき

「ターミナル2への行き方を教えてください」「レストランはどこにありますか?」などの質問をされました。

案内スタッフは、手元のマニュアル等も活用しながら外国人からの問い合わせにも積極的に対応し、問題なく案内業務を実施することができました。
また、案内スタッフ2名に対し3台のnewmeでの実証では、案内所の混雑度に合わせてアバターインするロボットを臨機応変に選択し、お客様が案内を必要としているタイミングでスムーズにnewmeでのご案内を実施することができました。

 

 

自由に動ける特徴を活かしてお困りのお客様に自らアプローチをしたり、多言語や手話等のスキルを持ったスタッフが所在を問わずに活躍できたり、本実証を通して、人材不足の課題解決や顧客満足度の向上にnewmeを有効活用できる可能性を見つけることができました。実証を通して見つかった解決すべき課題も解消させ、人手不足の解決やおもてなしサービスとしての活躍を目指して引き続き取り組んでまいります。

 

本実証にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

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