瞬間移動で新しい体験を!ANAHDとの共同セミナーを開催レポート〜後半〜

Column

2023/8/3

瞬間移動で新しい体験を!ANAHDとの共同セミナーを開催レポート〜後半〜

ANAHDとの共同セミナーの後半レポートです。
前半では、ANA未来創造室が描く未来のエアラインについてANAホールディングスの執行役員の津田 佳明未来創造室長 兼 新規事業開発部長から講演させていただきました。前半レポートはこちらから
後半では、CEOの深堀 昂より”avatarin株式会社”が目指す未来のサービスについて語りました。

 

人類の移動の課題を解決する “アバターイン”

深堀

「深堀です。よろしくお願いします。我々はみなさんの移動の課題をアバターインという新しい方法で解決しようという会社です。弊社のロゴが扉のマークになっていて、一瞬で世界中にいくことができて、身体的な問題で家から出られなくなっても、誰かに会いたいときであっても、自由に世界中、そして宇宙も含めて移動できるような移動インフラを作りたいという思いで、世界15カ国から集まって、日々の開発をしております。

 

私は2008年ANAに総合職で入社しました。大の飛行機好きで、運航基準というパイロットの操作手順を作る部署に行きたくて、自家用のパイロットライセンスをアメリカで取りました。

あとは社会課題の解決も昔から好きで、社外のビジネスコンペに企画を出して、持ち帰るっていうのをよくやっていました。現在のアバターが3つ目の提案でした。経営者の方で、小さいときから、「社長になりたかった、起業家になりたい」という方がいらっしゃいますが、私の場合は飛行機好きで、どちらかというと移動の課題を解決したい、そのためにはチームが必要だと。それであればスタートアップするという流れでした。

私は、「皆さんの移動の課題を解決する」のがライフワークです。究極の移動として「どこでもドア」を作りたいというところに行き着きました。身体的な制約で移動ができないということだけではなく、日本のパスポートだから比較的自由に世界中に移動できますが、他の国を見ると、決してそうではなくて入国できない国はたくさんあります。SARSもありましたし今回のパンデミックもそうですし、テロ、紛争・戦争いろいろあると思うのですが、移動が難しいこともあると思います。肉体を移動させることが移動だと思われていますが、我々は電気信号によって、意識・存在・技能を伝送することができれば、いろんな場所にその人が存在することができると思っています。

ANAのための新サービスを作ったわけではなくて、純粋に人類の移動の課題を解決するためのアイディアを考えました。70年前のANAの創業者もきっと、会社のためだけではなくて、できるだけ大勢の方々を目的地の運びたいという純粋な思いで立ち上げたのではないかと思っています。私もそれを追求していきたいと思っています。」

 

コロナ禍での会社設立

深堀

「よく、「コロナがあったから起業したのですか?」と聞かれるのですが、そうではなく、2016年のコンペで優勝した後に準備をして、予定通りに起業したという形でした。会社起業が取締役会で承認された2日後に、武漢でコロナが発生したというニュースが出ました。まさかという感じがありました。

会社設立後、私にとってとても印象的だったのが、コロナ禍において11の病院にアバターロボットを提供することができたことです。そのロボットを経由して、患者の方がお亡くなりになるときに家族が寄り添うことができたという方もいらっしゃいました。

コロナがあったから何か準備するのではなくて、パンデミックや災害が起きたときにどうやって世界中で助け合うか、支え合うかというのを何かしら準備する必要があると思っています。」

 

人の能力や技術を拡張するアバター

深堀

「なぜアバターインという会社名にしたかというと、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」という映画にインスパイアされています。

自分とは、全く違う大きさやスペックの身体になり、言語の壁を超えて相互理解できる。こういったところを目指しています。いきなりバイオスーツはありませんから、安価に誰でも使えるようなところから始め、世界最高のチームを集めて開発を進めています。

 

我々は「avatar core®︎(アバターコア)」※1という何でもアバター化する専用クラウドAIを作っています。これをさまざまなロボットに搭載して、車や飛行機をアバター化することもできます。空を飛びたい人、水中に行きたい人、何でもいいです。人が変身するツールと思っていただければ良いと思います。皆さんが1時間の間に100ヶ所で働くとか、そういったところもできるかなと思っています。

パソコンやスマートフォンを操作することで、好きな場所のロボットを選んで、行くこともできますし、ショッピングもできる。やりたいことを選べばいいですし、用途も様々ですね」

 

※1 avatar core®︎(アバターコア)

アバター技術を活用した社会課題解決のビジョンを実現するための鍵となる技術で、独自開発の通信プロトコルや遠隔AIモジュールなどハード・ソフトウェアを組み合わせた技術の総称。

 

最初のプロダクト “newme(ニューミー)”

 

深堀

「そして最初のプロダクトとして作ったのが、”newme”というロボットです。これはロボット好きに売るものではありません。皆さんがどこかへ行きたいときに、遠隔地にある”newme”に、お手持ちのパソコンやスマートフォン等のデバイスからアバターインすることで、その場に瞬間移動をすることができます。

私はロボットに階段を上らせるのではなく、各階に”newme”をおいてくださいと提案しています。100階あって各階を点検するのであればそれぞれの階にnewmeを置くことで瞬時に別の階に移動することができます。」

 

JAXAの種子島宇宙センターでの遠隔見学の様子

深堀

「現在は、JAXAの種子島宇宙センターに置かせていただいており、教育場面でも使っています。

日本全国の子供たちが種子島宇宙センターに行って課外授業をするのはものすごいコストかかりますよね。誰も行けるわけじゃないと思うのですが、newmeを種子島に置くだけで、みんなで相乗りしてその場に行くことができます。

病院や介護にもすごく思いを込めているところで、先日宮崎で5Gのテストも行いましたが、まだ面会できない場所も結構ありまして、お孫さんを初めて自分が住んでいる介護施設を案内したいという方がいらっしゃいました。実際自分が住んでいるところ案内することが夢だったと話していて、私もちょっともらい泣きしちゃいましたけども、こういったことが、ANAブランドとして提供できる。どんどんそういった会社になっていきたいと思っています。」

 

 

良いアイデアより実現するための行動

 

深堀

「最後に“avatarin株式会社”を立ち上げて学んだことを一つだけご紹介しようと思います。良いアイディア悪いアイディアは存在しないということです。結局アイディアとは良いか悪いか関係なくて実現したいというふうに信じている人が、アドバイスを聞きながら良くしていくものだけであると思います。行動してそれを実現することが道が開ける第一歩になると信じています。本日はありがとうございました。」

 

前半・後半にわたりご覧いただきありがとうございました。

またセミナーを開催予定ですので、お楽しみに。

一覧へ戻る

お問い合わせ