Column
2023/3/31
宮崎県事業
「令和4年度ローカル 5G 等を活用した地域課題解決実証事業」に関するレポート
~遠隔健康観察実証~
宮崎県の「令和4年度ローカル 5G 等を活用した地域課題解決実証事業」のコンソーシアムメンバーとして、ローカル5Gとアバターロボットnewmeを掛け合わせた次世代介護福祉に向けた実証を行いました。
本レポートでは、遠隔健康観察の実証の様子をご紹介いたします。
実証にご協力いただいたのは、宮崎県東臼杵郡美郷町にある養護老人ホームの皆さまと医師免許を持つ研究者である京都大学の村川泰祐教授です。
ローカル 5Gとアバターロボットを活用して、遠隔地にいる医師免許を持つ者が介護施設の入居者と看護師、介護福祉士とのリモートコミュニケーションを取り、映像がどれくらいの解像度があり、どのような支援を行うことが可能なのかということを検証するための実証を行いました。
美郷町にある養護老人ホームの一室でローカル5Gに接続したnewmeに京都大学の研究室のパソコンから接続し、入所者の方にはnewmeの前に設置した椅子に着席していただいて、健康観察を行いました。
事前にいくつかの検証項目を決定しておき、施設常勤の看護師の付き添いの下、2名の入所者の方と弊社スタッフ1名が体験者として検証を行いました。
緊張をほぐすように、「今日の体調はどうですか?」、「食事はしましたか?」、「食事は全部食べられましたか?」、「よく眠れましたか?」といった会話形式で体調を伺う検証からスタートしました。
次に、椅子から立ち上がり、少し歩行してもらうなどして、歩き方や動作の様子を確認し、どこかに不調が現れてないかなどチェックしました。
手を体の前に伸ばし、村川教授の「グー、パー」の声にあわせて、手を閉じたり、開いたりする動作を行っていただくなどして、反応を観察するなどの実証も行いました。
最後に、「毎日運動していますか?」、「体調で心配なことはありますか?」といった会話をすることで、何か不安に感じていることがないかを聞きながら、適切なアドバイスや軽い運動で健康維持に繋がることをお伝えして、一人10分程度の健康観察の実証は終了しました。
newmeの画面が目線の高さにあり、目を合わせて会話ができるため、病院を訪問して診察を受けているのと同じような感覚でできているようでした。
最初は緊張していた様子の入所者の方からも「村川教授の優しい雰囲気がよく、体験しやすかった」との感想をいただきました。newmeを介しても、優しい人柄がしっかりと伝わっていたようです!
村川教授からは、「画質がとても綺麗で表情やシワなどを見ることができ、神経の麻痺などを確認できるツールへの可能性を感じた」というご感想や、「首振り機能を使うことで体の全体までを見ることができて良かった」というコメントをいただきました。
また、ローカル5Gと組み合わせて遅延を最小限にしていくことで、耳で聞いてから動作を行うまでの反応を観察できるため、今後の遠隔医療へ向けた拡張性が感じられる検証となりました!
番外編として、弊社のスタッフがnewmeの前で口を開けて、喉の状態を観察できる可能性はあるか、皮膚の状態を見てもらうことはできるか、といった少し踏み込んだ健康チェックを実施してみました!
喉をライトで照らしてカメラに向かって大きな口を開ければ、とっても綺麗に喉の状態が確認できました!!首元の皮膚の状態も綺麗に見えていました。
newmeを介した遠隔医療が日常となる将来が近づいて来ていると感じられる実証でした!
本実証にご協力・ご参加いただいた皆さまに深く感謝申し上げます。
宮崎県「令和4年度ローカル 5G 等を活用した地域課題解決実証事業」の詳細については、こちらからご覧いただけます。
- https://www.wainet.co.jp/information/111649/
- https://about.avatarin.com/info-news/news-release/6199/