瞬間移動で新しい体験を!ANAHDとの共同セミナーを開催レポート〜前半〜

Column

2023/8/1

瞬間移動で新しい体験を!ANAHDとの共同セミナーを開催レポート〜前半〜

遠隔操作のテクノロジーを活かしたアバターロボットを使うことで、あたかも自分が瞬間移動して別の場所にいるように感じられる、”avatarin(アバターイン)”とANA未来創造室が描く未来のエアラインについて語り合うセミナーが6月23日、ANAホールディングス株式会社の本社にて開かれ、会場とオンラインあわせて93人の皆様に参加いただきました。

 

セミナーではANAホールディングスの執行役員の津田 佳明未来創造室長 兼 新規事業開発部長とavatarin(アバターイン)株式会社 代表取締役 CEOの深堀 昂が登壇し、はじめに津田執行役員がANAホールディングスならびにANA未来創造室が描く未来のエアラインについて説明しました。

 

津田

「皆さま、こんばんは。今日はご参加いただきありがとうございます。“avatarin”をはじめ、なぜANAがイノベーションの取り組みをコロナ前からやってきたのか。さらにコロナ禍で航空業界、旅行業界が大きく激変する中で、考えてきたプロジェクトなどを皆さんにシェアさせていただきたいと思います。

そもそもANAはたった2機のヘリコプターからはじまりました。従業員も社長を含め16人のベンチャー企業からのスタートでした。コロナ前だと旅客機およそ300機、従業員も4万6000人程の会社になりましたが、実はこれまでもチャレンジを繰り返してきた会社でした。」

 

ベンチャー企業だったANA

津田

「一方、創立から70年ほどたち、当時の経営陣から、新しいことに取り組みにくくなっているのでないかという指摘がありました。このため2016年にデジタル・デザイン・ラボ(現:未来創造室)という組織を立ち上げ、組織のルールやプロセスから外れた独自の意思決定ができるチームを作りました。この中でみんな一緒にイノベーションについていろいろ考えたのですが、人類の歴史を考えたときに、歩きの移動から馬車や鉄道や車が出てきて、飛行機が出てきたのも、この50年ぐらいの歴史だという結論に行きつきました。今後飛行機に取って代わるものが絶対に50年後ぐらいには出てくるだろうと話し合いました。では、どんなものにとって変わられるのか?ということを真剣に考えました。

その結論の一つがまさにアバターインに繋がるのですが、テクノロジーでテレポーテーションが可能になるのではないかと考えたのです。深堀も元々デジタル・デザイン・ラボに所属しており、当時飛び込みで専門家の人に話を聞きに行きました。すると、テレポーテーションは理論的にはできるという回答をもらいました。かなりびっくりですよね。ただ本当に人の体が完全に別の場所で再現されるというのは100年かかるプロジェクトだと言われ、100年後には「どこでもドア」があるかもしれないというのはとても驚きました。ただ、そうなった時に航空会社としては、移動がなくなってしまうとも感じました。」

 

自分達で壊しにいく! LCC設立の体験

 

津田

「そのときに役立ったのが11年前の”Peach”などLCC(ローコストキャリア)の立ち上げの経験です。LCCはANAのようなフルサービスキャリアから見ると市場を奪われてしまう存在です。当時はアメリカやヨーロッパではLCCの参入が進んでいて、それまでのフルサービスキャリアを破壊するような存在でした。普通であればこれに抵抗して参入障壁を上げて、LCCが入ってこないようにしますが、私達ANAは、自分たちでそのマーケット取りに行こうと考えました。社内外からはさまざまな意見がありましたが、自分たちで自分たちを破壊する存在を作ったっていうのが一歩原体験でした。」

 

空飛ぶクルマから宇宙まで 新事業続々

 

津田

「アバター以外にも、今は空飛ぶクルマにも取り組んでおります。今は2025年の大阪万博での実装を目指しており、この技術は私達だけで作る技術はないので、トヨタも出資している会社と組んでいます。

さらに派生して近い領域でドローンによる物流も事業化を検討しています。また宇宙事業についても様々なところにベンチャー出資をしたり、開発に関わったりしています。

それに加え、メタバース空間を使った旅(ANA NEO株式会社)にもチャレンジしています。ゲームのテクノロジーを活かして、ファイナルファンタジー15のプロデューサーだった田畑端氏と組んでおり、バーチャル空間での旅を体験できます。ファイナルファンタジーみたい感じで旅をする体験ができるのでぜひ期待して待っていただければと思います。ありがとうございました!」

 

後半のレポートはこちら

ANAホールディングスの未来創造室からスピンオフしたavatarinについて、CEOの深堀がお話しします。

是非ご覧ください!

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